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No.1〜153

DVD版 月刊スポーツメディスン
特集パック


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Sportsmedicine No.154, 2013
月刊スポーツメディスン 2013年9-10月合併号 通巻154号

A4変型判 52頁 中綴じ 定価1,000円(+税) クリアランスセール特価550円(500円+税)[品切れ]
年間購読料11,000円(10,000円+税)


■特集 筋肉解明!
──新知見が運動・スポーツ・リハビリにもたらすもの

筋肉は「筋力」や「筋持久力」、あるいは動作との関連で語られることが多かった。しかし、ここにきて、筋の働きに新たな発見が続いている。今月の特集では、内分泌器官としての筋肉、性ホルモンを産生する骨格筋などの視点から、運動・スポーツ・リハビリテーションを捉え直すという試みをしてみた。4人の先生に登場していただき、各々の視点から詳細に語っていただいた。「筋肉はすごい!」という特集である。筋肉に関する研究は、分子生物学その他各領域の発達により、運動と筋肉の関係はどんどん明らかになりつつある。単に「運動はからだによい」というだけでなく、どういうメカニズムでどうよいのかがわかってくると、運動・スポーツ・リハビリテーションのあり方も変わっていくことだろう。

1 筋肉は内分泌器官である
──「安静臥床は麻薬」「運動は万能薬」
田島文博・和歌山県立医科大学リハビリテーション医学教授

2 70年代半ばから行ってきた全身的に鍛えるダイナミック運動療法
── 新たな知見から出てきた再考察の必要
大久保 衞・(医)貴島会ダイナミックスポーツ医学研究所所長、同貴島病院本院副院長、日本整形外科学会専門医、びわこ成蹊スポーツ大学名誉教授

3 筋肉は高齢になると、なぜ細くなるのか
── 最新の研究にみる運動による骨格筋の変化の可能性
宮下充正・東京大学名誉教授、首都医校校長

4 身体運動の価値を分子レベルから解明する
── 骨格筋が性ホルモンを産生する意味とは
相澤勝治・専修大学スポーツ研究所

特集頁例  msm154.pdf *注1


Report from Europe
After2012オリンピック・パラリンピックから見える風景
ラフバラ大学のスポーツ戦略 Vol.3──2012 オリンピック・パラリンピックレガシー戦略 No.1
久木留 毅・専修大学教授(文学部/スポーツ研究所)/JSCラフバラ大学政策情報研究拠点センター長

Seminar Report
Clinical Reasoning――北九州運動器理学療法の会

Contribution
寄稿
Study abroad for the future:オーストラリア その1
──留学先の決定から留学に至までの経緯
稲見崇孝

Sports & Law
基礎から学ぶ「スポーツと法」
市民アスリートとアンチ・ドーピング
大橋卓生

Report
第15回世界水泳選手権(スペイン・バルセロナ)現地リポート
世界大会を通してみえた日本人選手の今後の課題と収穫
田坂友暁

Sports and Medicine
スポーツと医療の現場から考える
野球肘検診のあり方、問題点
河崎賢三・スポーツ整形外科医、桐蔭横浜大学 スポーツ健康政策学部 教授

Essay on the Picture
私の“一枚の絵”
骨盤の靱帯をいくつ言えますか?
渡會公治・帝京平成大学健康メディカル学部

Meridian Stretch
「経絡ストレッチ」──身体の異常判断と修正が容易にできる
経絡ストレッチで症状を改善しよう 35
ランナーに起こりやすい傷害への対応(17)──下腿三頭筋(ふくらはぎ)の痛み
朝日山一男・帝京大学医療技術学部准教授、鍼灸マッサージ師、日本体育協会公認AT、健康運動指導士、健康運動実践指導者

Physical Essay
からだのエッセイ「身体の森」

山田ゆかり・スポーツライター、早稲田大学非常勤講師、一般社団法人飛騨シューレ代表理事


 スポーツでは「筋肉」は非常に重要である。だが、そこでは「収縮・弛緩」による筋力発揮、およびさまざまな動きの獲得、また持久力との関係で語られることが多い。「頭のなかまで筋肉」と揶揄されることがあるが、それくらい、「筋肉」は脳や心臓などに比べるといささかないがしろにされてきたフシがある。

 しかし、ここにきて様相は変わってきた。

 最初に大久保衞先生(P.10)から田島文博先生(P.2)の「筋肉は内分泌器官である」という講演の話とその内容について教えていただいた。ぜひお話をうかがいたいと、田島先生に連絡し、和歌山に行く気でいたが、すぐに東京でお会いできる機会があり、飯田橋で取材となった。車いすマラソンとの関わりから、スポーツ医学の話になり、運動によってIL-6が増え、それが全身によい影響をもたらす。ゆえに運動は万能薬であるとし、先生が勤務される和歌山医科大学では、たとえ人工呼吸器を装着していても動ける人は動かす。その成果は本文に示されたとおり。大久保先生のダイナミック運動療法は20年以上前、記事にさせていただいたが、まさにこれもそうではないかと、改めて大久保先生にも大阪で取材させていただいた。

 その間、まさにタイミングよく、宮下充正先生から原稿が届いた。運動が筋組成にもたらす変化に関する論文のレビューを先生ご自身の運動実践も含めて書いていただいた原稿(P.16)。特集は「筋肉」と決定して、各先生の原稿をまとめることにした。

 大久保先生に取材したときにいただいた資料に相澤勝治先生(P.20)の抄録があった。特集をまとめる過程で、やはり相澤先生にもお話を聞きたいと考え、急遽依頼。切羽詰まった時間のなかで、こちらがまとめた原稿を、さらに整理していただいたのが今回のものである。Nature誌が“Activity is the best medicine”という論文を掲載したのが2011年。運動へのまなざしは、以前とは大きく異なってきた。スポーツ医学は21世紀、きわめて重要なジャンルになると改めて思った特集。筋肉がもっている機能は飛躍的に拡大していると思います。

 少なくとも「頭のなかは筋肉」というのは、もはや人をバカにしたことにはならない。「筋肉は思っているよりすごいのです」。 (清家)


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