Sportsmedicine No.144, 2012
月刊スポ-ツメディスン 2012年9・10月合併号 通巻144号
A4変型判 52頁 中綴じ 定価1,100円(1,000円+税) 完売
年間購読料11,000円(10,000円+税)
■特集 足のアーチ
──運動学、機能解剖、整形外科、靴の視点から
二足で立って歩行するヒトならではの足の構造、アーチ。今月の特集は、アーチの構造と機能をもとに、この不思議で精巧な装置について、スポーツ整形外科医、靴とオーソティックスに取り組む整形外科医、運動連鎖の立場で捉えた理学療法士、新しい知見とともに機能解剖からのアプローチを行ってる理学療法士、計4人の先生に、「足のアーチ」について、それぞれの専門から語っていただいた。テント、ドーム。いろいろなイメージがその構造と機能を表している。
1 足のアーチを語る──スポーツ整形外科の立場から
渡會公治・帝京平成大学健康メディカル学部 理学療法学科教授、一般社団法人美立健康協会理事長、整形外科医
2 足と足のアーチと靴の関係──靴は一種の“医療器具”
内田俊彦・NPO法人オーソティックスソサエティー理事長、整形外科医
3 足部からみたスポーツパフォーマンスへのアプローチ
山本尚司・一般社団法人 フィジオ運動連鎖アプローチ協会、理学療法士、鍼灸按摩マッサージ指圧師、健康運動指導士、セロトニントレーナーGYROTONIC® GYROKINESIS® Trainer
4 足のアーチ──運動学、機能解剖学の知見から
山﨑 敦・文京学院大学保健医療技術学部理学療法学科教授、理学療法士
特集頁例 msm144.pdf *注1
Topic Scanning
新しい流れを読む
第4回日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会に参加して──理学療法士の視点から
森口晃一・済生会八幡総合病院 理学療法士
Olympic Report
オリンピックリポート
ロンドンオリンピック観戦記(上)
高松政裕・スポーツ法政策研究会、京橋法律事務所、弁護士
Contribution
新連載 オーストラリアでPhysiotherapistを目指して
Physiotherapist(理学療法士)への第一歩
三木貴弘・理学療法士
Topics on Children
新連載 子どものからだと心
今、子どもの「生存」で問題になっていること──『子どものからだと心白書2011』より
内山有子・子どものからだと心 白書・連絡会議、日本女子体育大学准教授
Sports & Law
基礎から学ぶ「スポーツと法」
スポーツ不祥事と第三者委員会
永岡秀一・スポーツ法政策研究会、シティーユーワ法律事務所、弁護士
Sports and Medicine
スポーツと医療の現場から考える
「診断、判断」というものへの責任
河崎賢三・スポーツ整形外科医、桐蔭横浜大学 スポーツ健康政策学部 教授
Synapsology
新連載 シナプソロジー
脳の潜在認知力を引き出す「シナプソロジー」
沖本 大・シナプソロジー普及会ディレクター、株式会社 ルネサンス商品開発部 課長代理、社団法人 日本フィットネス協会/ADD・ADE・AQS
Meridian Stretch
「経絡ストレッチ」──身体の異常判断と修正が容易にできる
経絡ストレッチで症状を改善しよう 25
ランナーに起こりやすい傷害への対応(7)──足関節捻挫
朝日山一男・神奈川衛生学園専門学校
Physical Essay
からだのエッセイ「身体の森」
色
山田ゆかり・スポーツライター、早稲田大学非常勤講師、一般社団法人飛騨シューレ代表理事
足をみるたびに、「アーチ」のことが気になっていた。一度、「足のアーチ」で特集を組んでみたいと考えていた。
いろいろな先生が候補に上がったが、8月から9月という時期、なかなかスケジュールが合わない。お忙しいなか、なんとか4人の先生と連絡がついた。
まず、本誌の連載でお馴染みの渡會公治先生(P.4)。東京大学から現在は帝京平成大学で教鞭をとり、帝京大学で診療されている。近著では『いますぐできるロコモ体操』があるが、『美しく立つ』『上手なからだの使い方』という著書もある。当然、足のアーチに対する関心も高い。今回は、そのアーチに関わる先生のお考えと、先生が推奨されている体操も紹介した。アーチも含めた足の上手な使い方がさまざまな痛みの解消につながる。
オーソティックスを研究・実践、靴の選び方に問題があると、その靴までを選んであげ、オーソティックスを処方する整形外科医、内田俊彦先生(P.10)はNPO法人オーソティックスソサエティーを設立、その事務センターを永田町に開いておられる。そこで、足のアーチからオーソティックス、靴の話を細々とうかがった。「アーチサポート」という考え方をしていないというお話も面白かったが、足の痛みを訴える人はほとんどが大きめの靴を履いている。もっと細い、本来のサイズの靴を履かせると、みな「気持ちがいい」という話が興味深かった。実際に、取材に同行した編集者も細身の靴を選んでいただくと、履いたとたんに「気持ちいい」と言ったのが印象的。
今回は理学療法士の先生がお二人。山本尚司先生(P.18)の取材は浜氏に依頼した。「フィジオ運動連鎖アプローチ協会」という一般社団法人を運営されていて、今回も運動連鎖に関係してアーチ、足部について語っていただいた。
大学での理学療法の講義やセラピストを対象に講義をされている山﨑敦先生には、先生が収集されている多くの知見から、アーチに関するものを解説していただき、かつ先生が臨床で行っておられる方法についても紹介していただいた。運動学、機能解剖を専門とされる先生らしい豊富な情報から、アーチについて概観。ここから展開されるべき点は多いだろう。(清家)
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