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Sportsmedicine No.128, 2011
月刊スポーツメディスン 2011年2・3月合併号 通巻128号

A4変型判 52頁 中綴じ 定価1,100円(1,000円+税) クリアランスセール特価550円(500円+税)[品切れ]
年間購読料11,000円(10,000円+税)


■特集 ランナーを「診る」 ——ランニング障害への対応を語る

東京マラソンが契機になり、またマラソン人口が増加しているようだ。神戸マラソンなど新たな大会も開催され、さらにマラソン人気は高まりそうである。しかし、一方でランニング障害も多くなる可能性がある。今月の特集では、市民ランナーからトップ選手まで、ランニング障害を診てこられた3人の先生に取材した。鳥居先生には疲労骨折や腱の障害など、トップ選手の例も含めて、治療や対応について語っていただいた。入江先生には中高年のランニング障害が2つのグループに分かれるという話とその対応、岩本トレーナーには、現場での豊富な経験から、動きの観察・評価から、その修正、トレーニング、シューズの選択など実践的な内容を紹介していただく。

1 ランニング障害の診方と対応——トップ選手から市民ランナーまで診てきた経験から
鳥居 俊・早稲田大学スポーツ科学学術院 スポーツ医科学研究領域 運動器スポーツ医学研究室、スポーツ整形外科医

2 中高年のランニング障害——ベテラングループと経験数年目のグループ
入江一憲・日本体育大学健康学科教授

3 ランニング障害とそのリハビリテーション——とくに足部とアキレス腱の障害について
岩本広明・ミズノ株式会社アスレティックトレーナー


Topic Scanning
新しい流れを読む
高気圧酸素治療の今後——第1回高気圧酸素スポーツ医学研究会開催

Clinical Essay
日々の臨床から「診察室で行っている筋と脳へのアプローチ」
片脚立ちができますか——Iさん、75歳、女性、家庭の主婦の場合
丹羽滋郎・愛知医科大学名誉教授、同大学運動療育センター教学監

Yoga for Athlete
アスリートに役立つヨガ
マツヤアサナ
石川由希子・全米ヨガアライアンス認定インストラクター、栄養アドバイザー

Seminar Report
セミナーレポート
第2回はがくれ野球共育セミナー開催
工樂義孝ほか・鶴田整形外科

Cotribution
寄稿
国内スポーツ医学活動の現状と問題点の検討
矢田部佳久ほか・県北医療センター高萩協同病院整形外科

Essay on the Picture
私の"一枚の絵"
ゴルフノルディックウオークのすすめ
渡會公治・東京大学大学院総合文化研究科身体運動科学研究室

Sports & Law
基礎から学ぶ「スポーツと法」
日本の障害者スポーツを取り巻く環境
飯田研吾・スポーツ法政策研究会、兼子・岩松法律事務所、弁護士

Life Skills Program
アスリートのためのライフスキルプログラム
野球を通じて、自分自身を成長させる——大学野球のライフスキルプログラム実践例
齊藤博久・桐蔭横浜大学硬式野球部

Sports and Medicine
スポーツと医療の現場から考える
野球少年を故障・ケガから守ろう! スポーツドクターの聖戦
河崎賢三・桐蔭横浜大学スポーツ健康政策学部准教授

The Challenge
アスリートの挑戦
環境を変え、意識を変えてつかんだ、新たな自分への挑戦
加藤ゆか【競泳】東京スイミングセンター

Coaching & Management
高校野球のチーム運営を考えるスポーツ経営診断
創造的適応力を高め、組織を構築する考え方
高柿 健・広島県立総合技術高校野球部顧問、岡山大学社会文化科学研究科組織経営専攻、中小企業診断士(UCG)

Meridian Stretch
「経絡ストレッチ」——身体の異常判断と修正が容易にできる
経絡ストレッチで症状を改善しよう
東洋医学の考え方(23)——花粉症への対処法
朝日山一男・神奈川衛生学園専門学校

Physical Essay
からだのエッセイ「身体の森」
感性と感度
山田ゆかり・スポーツライター 早稲田大学非常勤講師 一般社団法人飛騨シューレ代表理事

Exercise File
File1 セルフケアコンディショニングのすすめ
セルフケア(SCA)とセルフコンディショニング(SCO)——触覚ボール4
小谷さおり・一般社団法人日本セルフケアコンディショニング協会



 30年以上前、エアロビクス理論が入ってきて、エアロビックダンスもそうだが、マラソンやジョギングがブームになった。それから何度かブームがあり、東京マラソンの成功からまたブームなのだそうだ。ウォーキングをする人もいれば、ジョギングやランニングをする人もいるが、走る人はだんだん力がついてくるとどうしてもマラソンに出たくなるようだ。さらにはウルトラマラソンまで発展したり、最近はトレイルランニングも人気があるとのこと。
 しかし、このランニングはその距離やスピードが増してくるにつれ、どうしても骨や筋、腱などに障害が起こりやすい。しかも治りにくいものが多い。治りきらないうちにトレーニングを再開しなければいけない事情もその背景になっている。
 そのランナーたちを診てこられた3人の先生に取材してまとめたのが今月の特集。まず鳥居俊先生(P.6)は、元陸上選手(ただし短距離)で、卒業後はジョギングを愛好。その過程で長くランニング障害を診てこられた。疲労骨折やアキレス腱炎など代表的なランニング障害について、現場でも選手を診る機会が多いスポーツ整形外科医らしい話を聞かせていただいた。同様にスポーツ整形外科医で、現在日本体育大学教授でもある入江一憲先生(P.11)は、横浜市スポーツ医科学センターで診療にあたっておられる。そこでの経験を中心に、ベテランランナーと走り始めて数年程度という比較的若い群とに特徴的なランニング障害について解説していただいた。たとえば脊柱管狭窄症などがあっても、走ることを諦める必要はないという暖かい言葉がいい。
 最後に、陸上のトレーナーとして長い20年以上の経験を有する岩本広明トレーナー(P.16)に、動きの観察・評価から始まり、ランニング障害の特性、その予防、リハビリテーション、トレーニング、シューズの選択などについて、多数のスライドとともに説明していただいた。現場で選手に長く接してこられただけあって、非常に実践的な内容である。
 高速化する世界のマラソン、どうしても走る量が増える傾向にある市民ランナー。いずれにも起こるランニング障害。3人の先生の豊富な経験と知識は、読者の参考になること大であろう。(清家)


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