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Sportsmedicine No.119, 2010
月刊スポ-ツメディスン 2010年4月号 通巻119号

A4変型判 52頁 中綴じ 定価1,100円(1,000円+税) クリアランスセール特価550円(500円+税)[品切れ]
年間購読料11,000円(10,000円+税)


■特集 子どもの野球肘 --問題の本質と新局面

成長期の野球肘は、命に関わるほどの問題ではないが、少ないとは言え手術に至るケースもあり、成人になってから障害を生じることもある。何より、少年期にそこまでの投球をしなければいけない理由はない。30年前から何も変わっていないという岩瀬毅信先生の子どもの野球肘に関する話はどうしても「おとながつくった病気」という問題に当たる。また医療面でも野球肘については30年で大きく進歩したとは言えない。新たな見解について柏口新二先生に語っていただき、徳島から全国に広まりつつある超音波検診について山口睦弘先生に紹介していただいた。

1  子どもの野球肘——「おとながつくっている病気」と取り組んで
岩瀬毅信・独立行政法人 国立病院機構 徳島病院 整形外科

2  野球肘の研究に携わって言えること——岩瀬先生の仕事と最新の知見について
柏口新二・東京厚生年金病院整形外科

3  超音波画像診断装置を用いての子どもの野球肘検診
山口睦弘・千葉労災病院検査科

 

Topic Scanning
新しい流れを読む
動作分析と動きづくり——スポーツ選手のためのリハビリテーション研究会 平成21年度講習会Ⅱ

Editorial Report
話題の最前線
伸びる子どもを地域で育てよう——スポーツとアスリートの役割

Yoga for Athletes
新連載 アスリートに役立つヨガ
アスリートとヨガについて
石川由希子・全米ヨガアライアンス認定インストラクター、栄養アドバイザー

Sports & Law
基礎から学ぶ「スポーツと法」
テニスにおける事故を防ぐ(判例から学ぶ)
片岡理恵子・スポーツ法政策研究会、京橋法律事務所、弁護士

Clinical Essay
新連載 日々の臨床から「診察室で行っている筋と脳へのアプローチ」
膝が伸びれば……——Aさん、65歳、女性、変形性膝関節症の場合
丹羽滋郎・愛知医科大学名誉教授、同大学運動療育センター教学監

The Challenge
アスリートの挑戦
「走りたいから走る。もっと気持ちよく、最高の走りがしたい」
早狩実紀・京都光華アスリートクラブ

Life Skill Program
アスリートのためのライフスキルプログラム
大学スポーツにおけるライフスキルの実践
松永道敬・神奈川大学健康科学スポーツセンター チーフアスレティックトレーナー

Physical Essay
連載 からだのエッセイ「身体の森」
子どもの未知の可能性を引き出す
山田ゆかり・スポーツライター  早稲田大学非常勤講師  一般社団法人飛騨シューレ代表理事

Essay on the Picture
私の“一枚の絵”
背すじを伸ばす
渡會公治・東京大学大学院総合文化研究科身体運動科学研究室

Meridian Stretch
「経絡ストレッチ」——身体の異常診断と修正が容易にできる
経絡ストレッチで症状が改善した例 25
東洋医学の考え方(14):八網の分類——やや肥満なランナーの例
朝日山一男・神奈川衛生学園専門学校

Exercise File
File 1  介護予防に役立つ機能改善エクササイズ
効果的な有酸素運動を行うために
石井千恵・健康医科学協会

File 2  医療現場のボールエクササイズ
乳がんとボールエクササイズ
道端明子・松田医院 健康運動指導士


  昨年12月に「神楽坂スポーツ医学セミナー」の第1回が開催され、そこで野球肘について語る岩瀬毅信先生(P.6)にお目にかかった。岩瀬先生のお名前は以前から存じ上げていたが、お目にかかるのは初めて。さらにそのセミナーの主宰者である柏口新二先生(P.16)が岩瀬先生の講演のあと、さまざまな「提案」や新事実について紹介された。本誌の連載でもお馴染みの能勢康史氏も講師のひとりとして参加されていた。
  セミナー後、関係者の懇親会の場が持たれ、どうしても気になった岩瀬先生の横でいろいろお話しさせていただいた。「この話、特集としてまとめたいな」、そう思った。
  それから約3カ月、柏口先生に相談し、岩瀬先生の野球肘に関わってきた30年を特集としてまとめたいと伝えると、ぜひというお返事をいただき、岩瀬先生に電話した。メールやケータイはあまり活用されていないとのことで電話である。最初は「今さら。年寄りのグチになるから」と受けていただけない。そこで粘ってなんとか取材できた。
  岩瀬先生にすれば、30年いろいろやったけど何も変わらないという思いが強いのだろう。もちろん、それでも地道な活動が進み、変わってきた部分もある。しかし「子どものスポーツでしょう(それなのになんで?)」という思いが強い。そこは変わっていない。「こぼればなし」でも書いたが、帰りの車のなかで先生の学生時代の話も含めいろいろ聞き、私も話した。「なんでこんなことがいまだに続くのか」、30年前この世界で編集者として取材をし、原稿を書き、いろいろな人といろいろな運動を続けてきた、その「最初の熱」を思い出した。「子どもの野球肘」。それはある典型ではないか。校正では電話で岩瀬先生と何度もやりとりして、ようやく完成した。超音波検診については、岩瀬先生と柏口先生のお話にも出てくるが、その詳細をということで、お忙しいところ山口睦弘先生(P.23)に画像とともに解説していただいた。徳島では真夏、テントの中でポータブルのエコーを用いて大人数に対応していく。その現場の模様を理解していただけると思う。「野球肘」、子どものスポーツについて理解が深まり、不幸な子ども(大人)が増えないように、そう願っての特集である。(清家)


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