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Sportsmedicine No.113, 2009
月刊スポ-ツメディスン 8月号 通巻113号

A4変型判 52頁 中綴じ 定価1,100円(1,000円+税) 完売
年間購読料11,000円(10,000円+税)

■特集 膝の痛み——疾患と痛みへの対応
膝の痛みは、アスリートでも一般人でも、大いに影響をもたらす。しかし、一口に「膝の痛み」と言っても、実際には部位も程度もその影響もさまざまである。今月の特集では、まず内山英司先生に「膝の痛み」全般について、まさに臨床現場でしかわからないこと、またスポーツ現場での状況も踏まえて、実に興味深い内容を語っていただいた。次に、宗田大先生には、膝痛をとる「痛点ストレッチ」を中心に紹介していただいた。方法はむずかしくない。効果は大きい。その理論と実際をぜひ試していただきたい。最後に、トップアスリートをみてきた江口典秀トレーナーとフェンシングの川西真紀さんに、現場の話を聞いた。

1  膝の痛み
内山英司・関東労災病院スポーツ整形外科部長

2  膝の痛みをとる——痛点ストレッチについて
  宗田 大・東京医科歯科大学医学部整形外科 大学院医歯学総合研究科運動器外科学 教授

3  スポーツ現場で生じる膝の痛みにどう対応するか
江口典秀・マークスボディデザイン代表
 
The Athlete's Voice
膝の痛みを通してわかったこと、発見したこと
川西真紀・フェンシング女子フルーレ元日本代表


Topic Scanning
新しい流れを読む
勝つためのチームづくりと組織の在り方を考える——日本バレーボール学会 2009年バレーボールミーティング

Ultrasound Diagnostic Imaging in Sport
スポーツに役立てる超音波画像診断
末梢神経障害:上肢
松崎正史・ソニックジャパン株式会社

Editorial Report
話題の最前線
「東京体育学会」設立——21世紀の「体育学」のゆくえ

My Fishing Days
70歳からのフィッシング
「体育指導委員」と映画“釣りバカ日誌”
宮下充正・東京大学名誉教授

Prevention of Baseball Injuries II
続・投球障害の予防と対応
少年野球の障害予防——投球動作解析でわかったこと——山本智章(新潟リハビリテーション病院院長)先生に聞く
能勢康史・コンディショニングコーチ

Life Skill Program
アスリートのためのライフスキルプログラム
ライフスキルプログラムの実践
東海林祐子・慶応義塾大学

Sports & Law
基礎から学ぶ「スポーツと法」
アンチドーピングにおける医師の役割と責任
八木由里・スポーツ法政策研究会、八木法律事務所、弁護士

Essay on the Picture
私の“一枚の絵”
『ヨガアナトミー』という本から
渡會公治・東京大学大学院総合文化研究科身体運動科学研究室

Meridian Stretch
「経絡ストレッチ」——身体の異常診断と修正が容易にできる
経絡ストレッチで症状が改善した例 19
東洋医学の考え方(8)——湿証で膝が痛むランナーの例
朝日山一男・神奈川衛生学園専門学校

Core Performance Training
新連載 コアパフォーマンス・トレーニング
コアパフォーマンス・トレーニングとは
小池博 ほか・株式会社スポーツプログラムス

Exercise File
File 1  介護予防に役立つ機能改善エクササイズ
5m最大歩行で日常の歩行を予想する
石井千恵・健康医科学協会

File 2  医療現場のボールエクササイズ
ボールエクササイズプラクティショナ——台湾第一期生誕生——健康医科学協会ボールエクササイズプラクティショナー
道端明子、芝崎美幸・健康運動指導士


  膝の痛みを抱え、日常生活に困っておられる人は多い。誰しも周辺にそういう人がいたり、あるいは自らそういう状態のこともあるだろう。アスリートの場合も、慢性的な膝の痛みで悩んでいる例は多い。
  しかし、膝の痛みと一口に言ってもさまざまである。今月の特集では、まず内山英司先生(P.6)に膝の痛み全般について聞いた。今回は、急性的なものではなく、いわゆる「故障」、慢性障害での膝の痛みについて、詳しく解説していただいた。本文には記さなかったが、関東労災病院スポーツ整形外科は、1980年、日本の医療機関として最初に「スポーツ整形外科」を院内標榜したところ。来年でちょうど30周年になる。その歴史において、膝の疾患で受診される方に変化がみられている。当初は、スポーツによる膝の疾患ならなんでもというくらい多種多様な患者さんが受診されていたが、近年は、専門性が高い疾患が多く、前十字靱帯損傷やアキレス腱断裂など、手術のために受診される人も多いとか。そのスポーツ整形外科としての専門性の高さがよくわかるインタビューでもあった。
  「痛点ストレッチ」については、前号で小池博さんが紹介されたが、興味を抱き、直々に宗田大先生(P.12)に取材させていただいた。ソフトなお人柄であるが、痛点ストレッチをモデルに対して実施するとき、「ここは痛い」と言いながら、どんどん押していく。モデルはそうとう痛がっていたが、その後の歩行の改善は明らかだった。日々、自分で行うのが基本とのことで、モデルの人はその後も家で実施、なかなか調子はよさそうである。
  スポーツ現場からお二人に取材。まずはアルペンスキーやセーリングなどの日本代表トレーナーとして活躍されている江口典秀さん(P.18)に、トレーナーの視点から、膝の痛みについて、アライメントの観察の重要性、痛みの原因の見極めなどを語っていただいた。またフェンシング女子フルーレの元日本代表選手である川西真紀さん(P.20)には、左膝に生じた引っかかり感から痛みへの変化、その対応として「構えが悪い」という指摘を受け、動きへの意識の変化が臨場感もって語られている。痛みを抱えたときに学ぶことは多いということがよくわかる。


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