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Sportsmedicine No.99, 2008
月刊スポ-ツメディスン 4月号 通巻99号

A4変型判 52頁 中綴じ 定価1,000円(+税) クリアランスセール特価500円(+税)
年間購読料10,000円(税込)

■特集 股関節を守る--変形性股関節症の運動療法への取り組み
変形性股関節症。似た言葉に変形性膝関節症がある。簡単に言えば、股関節や膝関節が加齢とともに変形していく疾患である。膝関節同様、荷重関節である股関節の変性は、先天性股関節脱臼(先天股脱*)と臼蓋形成不全が大きな要因となる。この変形性股関節症の運動療法に1984年から取り組んでこられたのが廣橋先生である。今月の特集は、その廣橋先生に長時間インタビューし、そのお仕事についてまとめた。

廣橋賢次・森ノ宮医療大学学長、整形外科医
1 小児の股関節疾患から変形性股関節症へ
2 変形性股関節症への取り組み
3 変形性股関節症の運動療法の開発と研究


The Athlete’s Voice
股関節の柔らかさと競技パフォーマンス
奥 千春・セパタクロー日本代表、アジア大会(2006ドーハ)銅メダリスト

Topic Scanning
新しい流れを読む
『スポーツ現場における心臓震盪の危険性』
〜野球と心臓震盪〜考えようボールの捕り方・カンファレンス開催〜

Interview
インタビュー
Wii Fitはいかにして誕生したか
松井薫・「ウェルネスガーディアンズ」特別顧問、「NESTA JAPAN」理事、任天堂Wii用健康管理ソフト「Wii Fit」監修

Sports Clinic Report
スポーツクリニック訪問
目指すのは「岸和田から全国へ」のネットワーク構築
医療法人 盈進会 岸和田盈進会病院
南大阪スポーツメディカル&ヘルスセンター(大阪府岸和田市)

My Fishing Days
70歳からのフィッシング
転倒予防と“夜叉ヶ池”--神秘的な青色の池を求めて
宮下充正・東京大学名誉教授

Sports Science Essay
「間」の考察から運動そのものへ--ドイツの運動科学理論とともに
ちいさな国のおおきな闘い! その24
高橋日出二・ライプチヒスポーツ科学交流協会(コレスポ)事務局長、綿引勝美・コレスポ幹事、鳴門教育大学

Meridian Stretch
「経絡ストレッチ」--身体の異常診断と修正が容易にできる
経絡ストレッチで症状が改善した例5
「脾胃虚弱でなやむアスリート」に効果のある経絡ストレッチとツボ刺激
朝日山一男・神奈川衛生学園専門学校専任教員

Body Potential
動きへのはたらきかけ
身体の軸を意識する
橋本維知子・日本ボディポテンシャル協会主宰

Trainers Activity
JATACのトレーナー実践活動
種目別Ⅵ ラグビー
前田為康・JATAC大阪

Exercise File
File 1 新連載 医療現場のボールエクササイズ
女性の不定愁訴改善[実技編]
女性の不定愁訴改善のためのプログラム①
鴇田佳津子・健康運動指導士

File 2 介護予防に役立つ機能改善エクササイズ
効果的な指導を再会教室で提供する
石井千恵・医療法人清心会藤沢病院

File 3 忙しい人のためのフェルデンクライスメソッド
脳を鍛えるからだのレッスン--転がってのびのびする
フランク・ワイルドマン博士・フェルデンクライストレーナー、訳:藤井里佳・フェルデンクライスプラクティショナー

Hida Report
連載「飛騨通信」
山っこ倶楽部三カ年事業と選挙戦
山田ゆかり・スポーツライター、早稲田大学非常勤講師


 ある先生から、廣橋賢次先生(P.6)の「変形性股関節症に対する20年以上取り組んでこられた運動療法」について教えてもらった。そこで廣橋先生に連絡、すでに大阪体育大学は退官され、大阪市住之江区に昨年4月開校した森ノ宮医療大学の学長を務められている。地下鉄中央線「コスモスクエア」という見慣れぬ駅で降りると、港が見える。その駅前に同大学はある。
 廣橋先生はもともと小児の股関節を診ていた。大人も診るようになり、変形性股関節症の治療にも取り組む。整形外科医として手術療法を行うが、やがて運動療法に着目、以来20年以上、変形性股関節症の運動療法に携わってこられた。
 変形性股関節症の原因として、日本では先天股脱と臼蓋形成不全が多い。しかし、廣橋先生が大人も診るようになって、臼蓋形成不全はあっても先天股脱がなかった例が半数近くあることがわかったと言う。
 元来スポーツ好きで、野球、軟式テニス、柔道、水泳、高飛び込みなどを経験してきた廣橋先生は、運動療法の開発に際し、骨格筋のはたらきから考え始めた。本文に記したように、5つ挙げられているが、なかでも衝撃吸収の役割が大きい。関節の衝撃は筋肉で和らげられている。
 筋力強化とストレッチングからなる基本運動にたどり着くまで試行錯誤であったが、その運動療法を実施してもらうと、前期・初期では97%、進行期・末期でも75%で痛みの改善がみられている。痛くなければ、日常生活に支障は少ない。「手術にも寿命がある」ので、最後は手術に踏み切るとしても、できるだけ運動療法で手術をしないですむ状態を維持するほうが好ましい。
 運動の話になると、廣橋先生は自らのからだを使い、紙に絵や数式を書き、いかに誤解されているか、OKCとCKCの違いを説かれる。運動がよいと言っても、なんでもよいわけではない。正しく行わないとかえって危険。本文で紹介した運動種目もそうしたエッセンスが豊富に含まれている。
 変形性股関節症で悩んでいる人は多い。「まずは運動療法を一度はやってみる必要がある」と言う廣橋先生の言葉は、20年以上の経験に裏打ちされている。
 この取材で、本誌78号の特集でインタビューさせていただいた古賀良生先生の21年間にわたる変形性膝関節症のお仕事を思い出した。変形性疾患は長期研究が欠かせない。
 進化の過程で二足歩行するようになったヒトが抱える弱点でもある股関節。やはり、子どものときから大人になっても筋肉を鍛え、股関節を守る意識をもって生活するのがよいようだ。
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