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Sportsmedicine No.97, 2008
月刊スポ-ツメディスン 1月号 通巻97号

A4変型判 52頁 中綴じ 定価1,100円(1,000円+税) クリアランスセール特価550円(500円+税)[品切れ]
年間購読料11,000円(10,000円+税)

■特集 「走る足」の問題——ランニング障害への取り組み
70年代後半からのジョギングブームは、マラソン人口の増大につながり、市民マラソン大会は活況を呈している。大都市では国際マラソン大会、駅伝レースも数多い。そのなかでランニング障害も多数発生し、それに悩む選手、愛好家も少なくない。そのランニング障害にいち早く取り組んだのが横江先生である。その研究、臨床についてまとめ、横江先生が所長を務める(財)スポーツ医・科学研究所で新たに始まったランニングサポート、ランナーズ特診およびそこでの対応について岡戸理学療法士に紹介していただく。

1 ランニング障害への取り組み——研究と臨床
横江清司・(財)スポーツ医・科学研究所所長、整形外科医

2 ランニング障害への対応の実際——詳細な測定、分析と対応、ランナーズサポートについて
岡戸敦男・(財)スポーツ医・科学研究所理学療法士


The Athlete’s Voice
なかなか治らなかった足の痛みからの復帰--的確な診断と治療方針に支えられた経験
中西真知子・NTT東日本・西日本、アテネオリンピックトライアスロン日本代表

Topic Scanning
新しい流れを読む
日本のトレーナーを考える--スポーツ選手のためのリハビリテーション研究会第25回研修会

Prevention of Baseball Injuries
投球障害への対応と予防のために
投球障害の競技復帰と再発防止
能勢康史・コンディショニングコーチ

Editorial Report
話題の最前線
コンディショニング「リストア」のためのセンター開設--トレーナーらによる「MIPコンディショニングセンター」

My Fishing Days
70歳からのフィッシング
保健体育の教材づくりと梅花藻の花咲く西別川
宮下充正・東京大学名誉教授

Functional Approach
宮崎県におけるスポーツ拠点病院の機能と役割--野崎東病院アスレティックリハビリテーションセンターの取り組み
尾崎勝博・理学療法士

Meridian Stretch
「経絡ストレッチ」--身体の異常診断と修正が容易にできる
経絡ストレッチで症状が改善した例3
「片頭痛で悩む主婦の例と寝違いで頭痛をともなう例」
朝日山一男・神奈川衛生学園専門学校専任教員

Sports Science Essay
「間」の考察から運動そのものへ--ドイツの運動科学理論とともに
ちいさな国のおおきな闘い! その22
高橋日出二・コレスポ、綿引勝美・鳴門教育大学

Trainers Activity
JATACのトレーナー実践活動
種目別Ⅳ テニス
五反田重夫・JATAC兵庫ほか

Body Potential
動きへのはたらきかけ
腕と脚の相互連動
橋本維知子・日本ボディポテンシャル協会主宰

Exercise File
File 1 機能改善体操
機能改善体操 〜目的に合わせた水中ウォーキング〜
尾陰由美子・アクトスペース企画

File 2 介護予防に役立つ機能改善エクササイズ
肩こり改善で気持ちを掴む
石井千恵・医療法人清心会藤沢病院

File 3 忙しい人のためのフェルデンクライスメソッド
脳を鍛えるからだのレッスン--呼吸のレッスンⅡ
フランク・ワイルドマン博士、訳:藤井里佳

Hida Report
連載「飛騨通信」
飛騨市立小中学校に広がるライフスキル(健康教室)プログラム
山田ゆかり・スポ-ツライター、早稲田大学非常勤講師


 ランニング障害ついては、70年代後半のジョギングブームのころから盛んに取り上げられてきた。回内や回外という言葉で足部や膝の障害について語られたが、その研究の第一人者が横江先生であった。
 その横江清司先生(P.6)にランニング障害の研究と臨床を振り返っていただこうと思い、連絡したところご快諾いただき、朝7時3分の新幹線で東京から名古屋に向かい、そこから名鉄に乗り換え、阿久比(あぐい)へ。阿久比駅からはタクシー。以前はバスもあったが、残念ながら今はない。  所長室で横江先生にインタビュー。資料もたくさん用意していただき、先生の学生時代からお話をうかがった。最近、あまりにも時代の変化が速く、20年、30年前となると、今とは相当事情が違う。そのあたりのことを当然ながら若い人は知らない。ちゃんと残していきたい話はたくさんある。根掘り葉掘り、いろいろうかがった。
 こうした過去の話のみならず、この研究所では「ランナーズサポート」という試みを始めた。ランナーの身体をチェックするのみならず、動画を撮影、その分析も行う。この試みが進むと、またランニング障害、あるいはオーバーユースのみかた、対応は変わってくるだろうと期待される。
 そのランナーへの対応の実際については、岡戸敦男先生(P.12)に詳しく紹介していただいた。岡戸先生は、ご自身が駅伝等でならした選手。選手から理学療法士になり、今はランナーのサポートをされているわけである。こうした選手経験者の目と言葉は、ランナーにとってありがたいことであろう。科学的データとともにランナーに説明する。改善すべき点は、改善する。その機能面に着目した対応は、もっともスポーツ医学らしいところと言えるだろう。
 アスリートの経験談として、トライアスロンの中西真知子選手(P.18)の話も掲載。医療側の的確な診断と明確な治療方針がいかにアスリートを支えるかがよくわかる。
 今やランニング障害を研究する施設は世界でもほとんどない。この(財)スポーツ医・科学研究所がランニング障害研究のメッカとして注目を浴びる日は遠くないだろう。
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