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Sportsmedicine No.94, 2007
月刊スポーツメディスン 9-10合併号 通巻94号

A4変型判 52頁 中綴じ 定価1050円(税込み)
年間購読料10,000円(税込み、500円割引)

■特集 腱と腱鞘――とくに「腱・靱帯付着部症」と腱鞘炎について
腱や靱帯は骨に付着している。そのことはよく知られているが、では具体的にどのように付着しているのかを詳細に知る人はまだ少ない。その付着部について研究されている熊井先生に、付着部の詳細とそこに生じる障害について聞いた。美しい標本写真とともに紹介する。またとくに腱鞘炎について、スポーツ医学からみた発生機序、対応に関し、渡會先生に写真とともに解説していただいた。さらに鍼灸の立場から大西先生に、また音大出身のクレー射撃選手、井上さんにも聞いた。
1 「腱・靱帯付着部症」について――付着部の構造とその損傷
熊井 司・奈良県立医科大学整形外科

2 スポーツ医学からみた腱鞘炎
渡會公治・東京大学大学院総合文化研究科身体運動科学、整形外科医

3 腱鞘炎・腱炎への治療と対策――鍼灸の立場から
大西雅士・内関はりきゅう室・スポーツ鍼灸セラピー神奈川委員長


The Athlete’s Voice
腱鞘炎を起さないからだの使い方
井上恵・(株)ナスタジャパン、アテネオリンピッククレー射撃女子ダブルトラップ5位

Topic Scanning
新しい流れを読む
第1回身体福祉学会開催――身体福祉の提唱

Prevention of Baseball Injuries
投球障害への対応と予防のために
野球肘のみかたと対応
能勢康史・コンディショニングコーチ

My Fishing Days
70歳からのフィッシング
ノルディック・ウォークと山菜の宝庫での釣り
宮下充正・東京大学名誉教授

Neo Coordination
独自のコオーディネーション論にいたる道 その2
荒木秀夫・徳島大学総合科学部教授

Meridian Stretch
「経絡ストレッチ」――身体の異常判断と修正が容易にできる
動きの異常からくる経絡ストレッチのまとめ
朝日山一男・神奈川衛生学園専門学校専任教員

Exercise File
File 1 機能改善体操(ボールを使って)
〜動きやすい身体づくり〜
尾陰由美子・アクトスペース企画

File 2 介護予防に役立つ機能改善エクササイズ
小さな動きで効果を狙う
石井千恵・医療法人清心会藤沢病院

File 3 忙しい人のためのフェルデンクライスメソッド
脳を鍛えるからだのレッスン――エレガントな歩き方の創造
フランク・ワイルドマン博士、訳:藤井里佳

Trainers Activity
JATACのトレーナー実践活動
種目別T マラソン・クロスカントリー
小野寺恒己・JATAC北海道 ほか

Body Potential
動きへのはたらきかけ
脚を上げる動作
橋本維知子・日本ボディポテンシャル協会主宰

Sports Sciense Essay
「間」の考察から運動そのものへ――ドイツの科学理論とともに
ちいさな国のおおきな闘い! その20
高橋日出二・コレスポ、綿引勝美・鳴門教育大学

Hida Report
新連載「飛騨通信」
「地域力」について
山田ゆかり・スポーツライター、早稲田大学非常勤講師


 奈良県立医科大学には、近鉄八木駅からタクシーで行った。すぐそばには、橿原神宮があり、大和三山もある。明日香村も近い。
 そういう地にあって、熊井先生(P.6)は、腱・靱帯の骨付着部について研究され、美しい標本を作製されていると聞いた。  以前から、腱や靱帯が骨についているというが、実際にどういうふうについているのかわからなかった。やわらかい組織が硬い組織につく。そのついている部分はどうなっているのか。しかし、なんとなくついているのだろうと思うくらいだった。  その付着部の標本写真を見せていただいた(P.25にカラー写真も掲載)。見事な4層構造で、徐々に硬くなっている。しかも付着部は入り組んだ構造で、はがれにくくなっている。
 熊井先生によると、力が加わるところではより入り組んだ構造で、同じ腱の付着部でもあまり力のかからないところでは、ほとんどフラットな構造になっているとか。したがって、その構造をみると、どれだけ力が加わる付着部かもわかるそうだ。生体が進化の過程で獲得した理にかなった構造と言うことができる。
 その付着部の障害もアキレス腱の場合のように、2つの異なった病態像が存在することがある。一見同じ症状と思われるのだが、全く異なる。治療も異なる。
 腱が骨に付着している部位の障害は非常に多い。本文の表1に整理されているが、スポーツではよく起こるケガばかりである。それにもかかわらず、その付着部そのものについてはあまりよく知られていなかった。これもまた興味深いことだった。  渡會先生(P.11)には、「スポーツ医学からみた腱鞘炎」というテーマで取材させていただいた。動作の質と量の問題が腱鞘炎には関係するが、まずは質の問題ということになる。ボウリング選手、ゴルフ選手に生じる腱鞘炎についてがメインだが、からだの使い方という点では誰にでも通じることである。すぐに実践できるストレッチングについても実演していただいた。
 腱鞘炎、腱炎に対して、鍼灸ではどう対応するのか。そこに興味があり、大西先生(P.15)に取材。スポーツ鍼灸という立場で患者さんに携わる人らしく、スポーツ医学的アプローチ、考え方である。
 音大出身でホルンを専攻していたというクレー射撃の井上選手(P.18)にも取材。自分は腱鞘炎になったことがない、それは衝撃を逃がしているからという考え方はスポーツ全般にも、日常生活にも通じることだろう。音楽とスポーツの共通点もみられておもしろい。
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