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Sportsmedicine No.91, 2007
月刊スポーツメディスン 6月号 通巻91号

A4変型判 52頁 中綴じ 定価1,100円(1,000円+税) 【完売】
年間購読料11,000円(10,000円+税)

■特集 アキレス腱物語
アキレス腱の外傷としては、アキレス腱断裂がよく知られている。スポーツ選手でも、一般人でも発生する。その治療法としては、手術療法と保存療法があり、総合的にみてそう大きな差はないとされてきた。しかし関東労災病院スポーツ整形外科の内山先生は、早期に運動を可能にし、早期にスポーツや職場に復帰させる新しい手術法があるはずと取り組んだ。その結果、術後5日には全荷重歩行、10週にはジョギング開始、5カ月でスポーツ完全復帰が可能になった。今月は、この手術をめぐる話とアキレス腱炎への対応についての外舘トレーナーの話などで構成する。

1アキレス腱断裂の新しい手術法をめぐって
内山英司・関東労災病院スポーツ整形外科
アキレス腱断裂、アキレス腱炎のリハビリテーションについて
園部俊晴・関東労災病院リハビリテーション科主任理学療法士

2アキレス腱炎、アキレス腱周囲炎への対応
外舘比呂光・株式会社カネボウ化粧品陸上競技部トレーナー


The Athlete’s Voice
痛みとの付き合いを支えた「ポジティブ発想」と「信頼感」
苅部俊二・法政大学准教授、陸上競技部コーチ

Topic Scanning
新しい流れを読む
医療法第42条施設に新たなニーズ
——「健診・保健指導」の義務化を前に

OR.NOTE
スポーツ関連学会・研究会・団体紹介
ヘルス&フィットネスジャパン2007

Prevention of Baseball Injuries
連載 投球障害への対応と予防のために
投球障害のアプローチへの実際
宮下浩二・広島大学大学院保健学研究科

新連載
70歳からのフィッシング
“犬吠歩き”と奄美大嶋の五目釣り
宮下充正・東京大学名誉教授

Sports Science Essay
「間」の考察から運動そのものへ——ドイツの運動科学理論とともに
小さな国の大きな闘い! その18
高橋日出二・コレスポ、綿引勝美・鳴門教育大学

Meridian Stretch
「経絡ストレッチ」——身体の異常判断と修正が容易にできる
手関節・肘関節の動きで(経絡テスト)で異常を感じた場合の経絡ストレッチ
朝日山一男・神奈川衛生学園専門学校専任教員

Essay on the picture
新連載 私の一枚の絵
腸腰筋、大腰筋『分冊解剖学アトラスⅠ』(文光堂)ほかより
渡會公治・東京大学大学院総合文化研究科身体運動科学研究室

Trainers Activity
第18回長野オリンピック冬季競技大会に於けるJATACのトレーナー活動
原和正・NPO法人JATAC副会長

Body Potential
動きへのはたらきかけ
待機の姿勢
橋本維知子・日本ボディポテンシャル協会主宰

Exercise File
File 1 忙しい人のためのフェルデンクライスメソッド
脳を鍛えるからだのレッスン2
——熊のように転がる
フランク・ワイルドマン博士、藤井里佳訳

File 2 機能改善体操
ウォール(壁)体操③
尾陰由美子・アクトスペース企画

File 3 介護予防に役立つ機能改善エクササイズ
機能向上啓発の教室にて その2
石井千恵・医療法人清心会藤沢病院

Wacth and Write!
スポーツの「芯」
運動習慣化の実際
山田ゆかり・スポーツライター


編集をおえて
 内山英司先生(P.6)には、過去にアキレス腱の新しい手術法について、月刊トレーニング・ジャーナルに寄稿していただいたことがある。2002年の暮れである。以来約5年が経過し、その後の変化も含め、改めて詳細にうかがおうと決めた。
  やはり原稿だけでなく、実際に詳しくうかがうと、内容の濃さや深さがよくわかる。手術療法か保存療法かと言われ、保存でも治るのなら、手術はしたくないという人も多いだろう。時間も手術の1.5倍程度であれば我慢できる範囲である。
  しかし、関東労災病院のスポーツ整形外科である。日本で初めてできたスポーツ整形外科。内山先生は、納得がいかず、早く強く復帰できる新しい手術法を目指すことになる。それが今回紹介しているものだが、術後5日で全荷重歩行、2週目からギプスを外し装具歩行。8週で装具は取れる。10週でジョギング。5カ月でスポーツに完全復帰である。
  また高齢者でもこれは同様で、とくに高齢での保存療法は、固定期間が長く、活動性の低下につながり、手術を勧めるという。一般人も早期職場復帰を希望することが多く、やはり手術を勧めるとのこと。
  スポーツ整形外科の成果が一般にももたらされることは多いが、この手術の場合もそれが言える。こうした成果が増えていくにつれ、スポーツ整形外科は今後ますます注目されるのではないだろうか。
  リハビリテーションについては、同病院の園部俊晴理学療法士(P.14)に解説していただいた。アキレス腱断裂とともに腱炎についても聞いた。アライメントや動きをみて、テーピングや足底挿板で対応する。前額面とともに矢状面の要素がポイントという話であった。
  現場で問題になるのはアキレス腱炎のほうが多いかもしれない。なかなか対応が難しく、運動を続けている限り、完治も難しい。それにどう対応してきたか、カネボウ化粧品の外舘比呂光トレーナー(P.15)に聞いた。実際にマッサージなどの手技も見せていただいたが、細かな配慮と工夫に長い経験が感じられた。
  アキレス腱炎で長く苦しんでいたのが、400mハードルの苅部俊二さん(P.18)。選手の苦しみとそれを克服していく心理が興味深い。現場と医療のコミュニケーション、信頼感の大切さも説かれている。
  なお、今月から宮下充正先生(P.25)の釣りとスポーツ科学の連載が始まった。
(清家)

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