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Sportsmedicine No.81 June, 2006
月刊スポーツメディスン 6月号 通巻81号

A4変型判 52頁 中綴じ 定価1,100円(1,000円+税) クリアランスセール特価550円(500円+税)[品切れ]
年間購読料11,000円(10,000円+税)

■特集 転倒予防教室教室のあり方、目指すもの
1997年に始まった転倒予防教室。それから約10年。折りしも、この4月から改正介護保険法もスタートし、転倒予防教室は全国各地で繰り広げられている。転倒予防教室はいかにあるべきなのか、その目指すものはいったい何なのか。本誌34号の特集「転倒予防」で取材した方々を中心に改めて取材、また第1回転倒予防大賞に輝いた大高先生らの活動も紹介する。
武藤芳照、小野 晃、別府諸兄、大高洋平


■連載その他
Topic Scanning
新しい流れを読む
血行からみた運動と脳の活性化——東京都老人総合研究所 平成18年度科学技術週間参加行事より

Sportsmedicine Now
取材レポート:これからのスポーツ医療
診心愛語で進めるスポーツ医療——くつま整形外科医院

Sports Science Essay
「間」の考察から運動そのものへ——ドイツの運動科学理論とともに
“教育思想”に見るコオーディネーション理論の源泉
荒木秀夫

Therapeutic Exercise
運動療法のポイントと実際—整形外科診療所からの発信
日常動作エクササイズ(応用編2)
多久泰夫・多久範子

Exercise File
File 1 機能改善エクササイズ 肩のほぐし体操
尾陰由美子

File 2 快適な動きが脳を鍛える——忙しい人のためのフェルデンクライスメソッド
脳を鍛えるからだのレッスン——職場や家庭の椅子に座って1
フランク・ワイルドマン博士 訳:藤井里佳

File 3 介護予防に役立つ機能改善エクササイズ
わりばし体操で介護予防
石井千恵

スポーツの「芯」
祭りについて
山田ゆかり


特集 転倒予防教室
 介護保険が改正され、「虚弱な高齢者」で介護を必要とするほどではない人に対しては、栄養指導や口腔ケアなどとともに機能向上、転倒予防などが積極的に実施されるようになった。
 本誌では、34号の特集で転倒予防について紹介したが、それから5年がたち、ここで改めて「転倒予防教室」について考えてみることにした。
 まず、武藤先生(P.6)には、1997年に日本で最初に転倒予防教室を始め、約10年が経とうとしている現在、転倒予防の目指すものをうかがった。東京厚生年金病院の転倒予防教室は頻度や費用など若干変更がなされている。12週間8回で78,000円の負担だが、一時減少した参加者数は再び増加した。その他、全国的な研究会活動、電話相談など、武藤教授らの転倒予防運動は広がっている。何が大事なのか、武藤教授の話は傾聴に値する。
 小野先生(P.10)には、主にYMCAでの転倒予防事業について語っていただいたが、小野先生の現場に即した方法と考え方には納得させられる点が多い。現場での指導経験から生まれた方法は、どなたにも参考になるだろう。そこに一定の測定法を適用し、科学的エビデンスの蓄積と分析も続けておられる。転倒予防への運動学的アプローチと言ってよいだろうが、現場からの提言には重要なものが多い。
 別府先生(P.15)は、上肢のマイクロサージェリーと股関節が専門だが、転倒予防に関しても研究、啓発、実践活動を展開してこられた。今回は、その活動を通して見えてきたこと、転倒予防教室がまず楽しいものであること、実際にはボール体操を用いているが、ボール体操でなくてもその人に合った方法であればよいことなど、教室展開に必要な視点を提供していただいた。併せて、藤沢病院での測定の模様も取材した。
 大高先生(P.20)に解説いただいた慶友整形外科病院における病院・地域での転倒骨折予防教室は、昨年転倒予防医学研究会にて公募された第1回転倒予防大賞の実践部門で大賞に選ばれた取り組みである。詳細については記事をお読みいただきたいが、転倒予防がどうあるべきかを考えるうえで、同病院の活動から得られた知見は大いに参考にすべきものだろう。

連載その他
 これからのスポーツ医療(P.26)は、山梨県南巨摩郡増穂町にあるくつま整形外科医院を取材した。山間部に位置するこの町では、スポーツが盛んである一方、車社会となっており、運動のしすぎ、運動不足の二極化が進んでいる。そういった地域において、どのようなスポーツ医療が進められているのか。久津間健治院長に話を聞いた。
 荒木先生の連載(P.29)では、教育思想にみられるコオーディネーション理論の源泉とも言える点について触れている。「運動論」がどのように展開され、どうコオーディネーションの捉え方に関連してきたのか。人間の発達における身体の意義、学ぶ行為における感覚と運動の意義から考察している。
 多久泰夫・範子先生の連載(P.35)は、前号に続き日常動作エクササイズの応用編。今回は休止モード、すなわち前回紹介した活動モードに切り替わるまでの身体のコントロール方法について、坐禅、正坐、椅子坐位、側臥位、寝返り、背臥位における動きから解説している。
 エクササイズファイルは、尾陰さんの連載(P.40)では肩のほぐし体操を、ワイルドマン博士の連載(P.43)では職場や家庭の椅子に座ってできるレッスンを、石井さんの連載(P.47)では介護予防のプログラムに役立つわりばしを用いた体操をそれぞれ紹介していただいた。すぐに実践できるものばかりなので、ぜひご活用いただきたい。
 山田さんのスポーツの「芯」(P.51)は祭りについて。岐阜県飛騨市神岡町の山之村下之本地区に伝わる金蔵獅子、曲獅子などから舞いの動きについて取り上げている。伝統的な動きがいかにして地域で伝承されているのかにも言及しており、興味深い話である。

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