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| Sportsmedicine No.80 May, 2006 月刊スポーツメディスン 5月号 通巻80号
 
 A4変型判 52頁 中綴じ
 定価1,100円(1,000円+税)クリアランスセール特価550円(500円+税)[品切れ]年間購読料11,000円(10,000円+税)
 
 ■特集 思ったとおり動けるか運動の内と外
 自分の動きは自分でコントロールしていると思い込んでいるが、そううまくいっていないことも多い。この特集では、「意志」と「動き」の関係を探ってみる。スポーツでもそのほかの身体活動でも、「思ったとおり」動ける場合と、そうでない場合がある。それはなぜか。どうなっているのか。脳神経科学、コオーディネーションなど、広い範囲で取材、スポーツ・運動・日常生活で考える。
 大築立志・荒木秀夫・小田伸午・古関美保子
 
 
 ■連載その他
 Topic Scanning
 新しい流れを読む
 新しい介護予防制度と今後——疾病予防・運動療法事業推進セミナー、第7回日本リハビリテーション連携科学学会から
 
 Sportsmedicine Now
 取材レポート:これからのスポーツ医療
 メディカルカルチャーを発信する医療施設——予防医学センター「メディカルフィットネス・ソラリオ」
 
 Therapeutic Exercise
 運動療法のポイントと実際—整形外科診療所からの発信
 日常動作エクササイズ(応用編€)
 多久泰夫・多久範子
 
 Interview
 「医療と落語——笑いと健康を語る」
 立川らく朝(医学博士、落語家)
 
 Exercise File
 File 1 機能改善体操
 機能改善のための呼吸法
 尾陰由美子
 
 File 2  快適な動きが脳を鍛える——忙しい人のためのフェルデンクライスメソッド
 脳を鍛えるからだのレッスン
 フランク・ワイルドマン博士 訳:藤井里佳
 
 File 3 介護予防に役立つ機能改善エクササイズ
 転倒予防エクササイズ(後編)
 石井千恵
 
 スポーツの「芯」
 生と死について
 山田ゆかり
 
 
 特集 思ったとおり動けるか
 日常、思ったとおり動いていると多くの人は思っている。そうでないと、つつがなく日常生活を送れない。加齢とともに、うっかり物を落としたり、思わぬところでつまずいたりということはあるが、おおむね動けている人のほうが多い。
 だが、それは「勘違い」かもしれない。本人は思ったとおり動いているつもりが、はたから見ると全然違う動きや姿勢になっているかもしれない。そもそも「思ったとおりとはどういうことか?」など、さまざまな疑問が湧き、今回の特集となった。
 大築先生(P.6)は、前号でも紹介したように、東京大学の新入生全員に、身体運動・健康科学実習の一環として「つもりと実際」という授業を行っている。いくつかの実験を行うが、とくに握力では最大を5とし、そのあとランダムに1〜4の力を発揮してもらうと、「つもりと実際」は大きく異なることが多い。オンかオフしかない学生もいる。本人は真面目に段階分け(グレーディング)して力を出している「つもり」。それが全然違う結果として出る。現実の生活でも本当はそういうことが多いのだろう。
 荒木先生(P.11)には、連載を執筆していただいているが、今回は「思ったとおり動けるか」というテーマで、インタビューした。そもそも「思ったとおり」とはどういうことか。思ったとおりできないときはどうすればよいか。そのあたりをコオディネーションの視点から語っていただいた。「感覚によって運動をつくる、運動によって感覚をつくる」という言葉が印象的で、運動への理解が広がる。
 小田先生(P.17)には、時折京大の研究室にお邪魔し、いつも興味深い話をたくさん聞かせていただく。紙数の関係で掲載しなかった話も多いが、その話も「なるほど」というものばかりである。今回は、意識・無意識、主観・客観、身体知・言語知といったキーワードとともにスポーツや運動について語っていただいた。「もっとスポーツの世界が豊かになるように」、そういうメッセージでもある。
 フィットネスインストラクターの古関さん(P.22)には、視覚障害者への指導経験から、思った通りに相手に動いてもらうために必要な考え方、指導方法を聞かせていただいた。普段気にも止めないことであるが、視覚から得られる情報は、触覚や聴覚などとは比べものにならないくらい多い。その情報に頼らず指導することがいかに大変であるはおのずと想像がつくだろう。古関さんも試行錯誤されている。その経験から来る言葉を健常者への指導をにもぜひ活かしてほしい。
 
 連載その他
 これからのスポーツ医療(P.26)は、静岡県伊東市にある青木クリニックが平成16年8月に増設した予防医学センター「メディカルフィットネス・ソラリオ」を取材した。青木院長の医療施設から地域づくりを進める「メディカル・カルチャー」という考え方は、これからの高齢社会で求められていることだろう。
 多久泰夫・範子先生の連載(P. 29)は、日常動作エクササイズの応用編。日常の動作は緊張感がなく、それゆえに不適切な動作に陥りやすい。今回は洗面、食事、物をとる、持ち上げる、床ふきなど日常動作の注意点を解説している。
 今号より不定期に掲載していくインタビュー(P.34)では、落語家であり医学博士の立川らく朝氏に笑いと健康について聞いた。笑いをつくる秘訣も聞いているのでぜひ参考にしていただきたい。
 エクササイズファイルは、今号より尾陰由美子さんによる「機能改善体操——動きやすいからだづくり」(P.40)、フランク・ワイルドマン氏(訳:藤井里佳さん)の「快適な動きが脳を鍛える——忙しい人のためのフェルデンクライスメソッド」(P.43)がスタート。いずれもからだの感覚を研ぎ澄ますのに適した内容となっている。石井さんの連載(P.47)は転倒予防エクササイズの後編。用具を使ったものを紹介していただいた。
 山田さんのスポーツの「芯」(P.51)は生と死について。乳がんで他界された健康運動指導士の野町茂子さんとの親交を振り返り、生と死の捉え方について考察している。
 
 
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