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Sportsmedicine No.74 Contents Sep-Oct, 2005
月刊スポーツメディスン 9・10合併号 通巻74号

A4変型判 52頁 中綴じ 定価1,000円(+税) クリアランスセール特価500円(+税)
年間購読料10,000円(税込)

■特集 メディカルコーチング医療分野におけるコーチング
「コーチ」あるいは「コーチング」はもともとはスポーツ分野のものだが、近年ビジネス分野で盛んに取り上げられ、コーチ養成機関も増加、ビジネスコーチの数も増えてきた。一方で、そのコーチングを医療にも活用、それが「メディカル・コーチング」と呼ばれるようになってきた。注目されるスキルとしてのメディカル・コーチング。いかなる患者さんにも適用できる話題のアプローチを紹介する。
伊藤 守、柳澤厚生、鱸 伸子、奥 朋子、古賀雅子、松本承子


■連載その他
Topic Scanning
新しい流れを読む
身体機能と脳活動の関係を探る——シンポジウム「スポーツと脳の関わり」より

Contribution
特別寄稿
筋の再教育−中高齢者の健康づくりの鍵
丹羽滋郎

Therapeutic Exercise
運動療法のポイントと実際—整形外科診療所からの発信
身体の見方と操作法(理論編)
多久泰夫・多久範子

Sports Science Essay
「間」の考察から運動そのものへ——ドイツの運動科学理論とともに
“運動システム科学”としてのコオーディネーション理論
荒木秀夫

Athletic Rehabilitation
膝前十字靱帯(ACL)損傷をどのように予防するか
膝前十字靱帯(ACL)損傷を予防するプログラムに関する考察
浦辺幸夫

Stretching and Training for Injury Prevention
障害を予防するストレッチングとトレーニング
テニス肘における筋力強化による予防について
堀居 昭

Sportsmedicine Now
これからのスポーツ医療
地域住民に安心感を与えるスポーツ医学の窓口として
さいとう整形クリニック

Wonderful Aging
あるがままで、世界記録
大崎喜子

スポーツの「芯」
続・私の野球観
山田ゆかり

★特別付録(センター16頁)
全国スポーツ・クリニック一覧2005


特集 メディカル・コーチング
 数年前から書店に「コーチング」や「コーチ」という言葉が書名に入っている本が目につき始めた。それはスポーツの棚ではなく、ビジネスの棚で、当時は「ビジネスにコーチ?」と思った人も少なくないのではないか。
 それが、今や「コーチ」と言えばビジネスコーチだと思う人も増え、スポーツ分野の「コーチング理論」の講座にビジネス志向の人が受講しにきたという話も聞くようになった。
 それくらいコーチ、コーチングはビジネス界に浸透してきたのだが、そのコーチングが医療分野にも導入され、メディカル・コーチングと呼ばれていることがわかった。そこで取材してみたのが今月の特集である。
 まず伊藤氏(P.6)に、コーチングが日本に導入された初期のことから聞き、医療界ではどう用いられているのかを聞いた。伊藤氏は、コーチングはエデュケーション(教育)だと言い、したがって医療分野では研修医の教育に、またチームとしてのパフォーマンスを上げるためにリーダーがスタッフとどうコミュニケーションをとるかについてコーチングは有用だと言う。コーチングの手法は、もともとはアスリートを対象に用いられてきたが、そのエッセンスが体系化され、プログラムとしてビジネスに用いられるようになった。つまり、ある目標に達するにはどうすればよいかをコーチとのコミュニケーションを通じて「アスリート」本人に考えさせる。その手法、スキルは多方面に活用できる。
 柳澤先生(P.10)は、コーチングを学び始めたとき、すぐに医療にも使えると判断した。
 メディカルな分野におけるコーチングを柳澤先生は、伊藤氏が言うものと、患者さんとのコミュニケーションに用いるものと2つに分けている。たとえば「3年後はどうしていたいですか」という質問をすることで、患者さんの治療へのモチベーションが劇的に変化していく。その様子をうかがうと、本来医師と患者の関係はそうあるべきではないかと思わせられる。
 鱸先生(P.14)は自らが患者であった経験から、コーチングを仕事とするようになった。「目標のない状態」から人生に前向きになっていく。人が生きるうえで、「将来こうしたい」「こうなりたい」という願いや夢が現実の目標となると、日々の姿勢が変わっていく。その具体例を奥、古賀、松本の3氏にうかがった(P.18〜)。
「ナチュラルコーチ」と言う言葉がある。生まれ持ってコーチの資質を有する人のことだが、われわれの多くは何歳になってもコーチを必要としているのかもしれない。「答えのない」状況はあまりにも多いからである。それにしても、コーチ、コーチングをスポーツ以外にも用いた欧米のセンス、発想に学ぶところは大きい。(清家)

連載その他
 丹羽先生にお寄せいただいた特別寄稿(P.21)のテーマは筋の再教育。倹約遺伝子と生活習慣の関係や運動と脳の関係などから、運動を「再教育」という視点から解説している。中高齢者の健康づくりを考えるうえで鍵となるであろう考え方であり、興味の尽きない話と言える。
 多久泰夫氏らには、今号より運動療法のポイントと実際を整形外科診療所での実績をもとに解説していただく(P.26)。第1回は身体の見方と操作法の理論編。人間の進化に触れながら「身体」を語っている。
 荒木先生の連載(P.28)は、“運動システム科学”としてのコオーディネーション理論について。広い意味での「システム論」の発展に伴って「運動」はより普遍性に満ちた「運動システム」という概念へと高められたと指摘し、「運動システム」を従来の運動学とは異なる視点から捉えることができるのではないかと考察している。
 膝前十字靱帯(ACL)損傷の予防プログラムを取り上げた浦辺氏の連載には(P.32)、Jump Training ProgramやPEP program、F-MARK11、OSTRCのプログラムが紹介されている。それらの共通点を見ていくと、筋力やパワー、アジリティ等を総合的にトレーニングする必要があるという。
 堀居先生の連載(P.37)は、テニス肘における筋力強化による予防を解説している。テニスは楽しむ中高齢者は多い。ぜひ参考にしていただきたい。
 これからのスポーツ医療(P.42)で取り上げたさいとう整形クリニックは、近年注目されている医療モール内の診療所である。地域、他科との連携において、スポーツドクターがどんな役割を担えるのか。都市部から離れた住宅地の入り口に開院した同クリニックの現状を取材した。
 高齢スポーツ愛好者に学ぶ(P.44)では、05年9月現在で152の世界記録を樹立し、今なお更新し続けているスイマーの大崎喜子さんに話を聞いた。「無理のない自然体に生まれた記録」と言う大崎さんは、日常生活のリズムを崩すことなく、真剣勝負である試合に挑んでいる。そのスポーツの取り組み方は参考になることが多い。
 スポーツの「芯」(P.46)は、前号に引き続き山田さんの野球観。夏の甲子園で2連覇を達成した駒大苫小牧高校を始め、暴力事件が後を絶たない。選手、保護者、指導者など野球への携わり方はさまざまだが、なぜ野球をするのか、観るのか、教えるのかを改めて考え、具体的な解決策を見つけていく必要があるだろう。(長谷川)

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