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Sportsmedicine No.73 Contents August, 2005
月刊スポーツメディスン 8月号 通巻73号

A4変型判 52頁 中綴じ 定価1,000円(+税) クリアランスセール特価500円(+税)
年間購読料10,000円(税込)

■特集 「食育」への取り組み方「食べること」をどう教え、どう学ぶか
先頃食育基本法が成立、フードガイドも公表された。「食べる」ことは生きる基本だが、コンビニが隆盛を極め、個食(孤食、小食)などが問題となり、現代人にとって「食べる」ことの意味や実感が希薄になりつつある。今起こっている子どもから高齢者に至る「食べる」ことに関する問題とそれに対してどういうアプローチが実践されているかを探った。
吉池信男、川野因、西川陽子、山本啓子、田中弥生、殖田友子、金子朝江


■連載その他
Topic Scanning
新しい流れを読む
森林の癒しの効果を活かした健康づくりに向けて——森林セラピー国際シンポジウム開催

Sports Science Essay
「間」の考察から運動そのものへ——ドイツの運動科学理論とともに
コオーディネーション理論における“システム科学”
荒木秀夫

Wonderful Aging
すばらしき高齢スポーツ愛好者に学ぶ
はじめに——スポーツ医・科学の果たす役割
宮下充正

Athletic Rehabilitation
膝前十字靱帯(ACL)損傷をどのように予防するか
膝前十字靱帯損傷を発生させるスポーツ動作の分析
浦辺幸夫

Stretching and Training for Injury Prevention
障害を予防するストレッチングとトレーニング
野球肘における筋力強化による予防について(下)
堀居 昭

Exercise for the Knee
膝OAのための「ヒザイタ改善エクササイズ」
膝OAのための水中コンディショニング パーソナル編
小谷さおり

Foam Roller Exercise
ケース3 肩関節を理解する
有吉与志恵

スポーツの「芯」
私の野球観
山田ゆかり


特集 「食育」への取り組み方
「食育基本法」なるものができ、日本版フードガイドである「食事バランスガイド」も公表された。  食育基本法については主たるところをP.24に掲載したが、健康増進法同様、これから自治体を始めさまざまなところで動きが始まるだろう。実際にはその準備に時間がかかるので、具体的な動きは来年度以降になるかもしれないが、確実に「食育」への本格的な取り組みが始まる。
 そこで、今月の特集ではこの「食育」について、またもっと基本である「食べること」について考えてみた。
 まず、「食事バランスガイド」を策定する検討委員会の座長である吉池氏(P.6)に、そのガイドについて詳しく解説していただいた。世界各国のフードガイドの例も参考までに掲げたが、日本は食材を基盤にしたものではなく、料理が基盤になっている。Dish-basedと言われるが、食べる側に立ったもので、世界初だそうだ。逆に言うと、食材から発想するのが難しいからということだが、生活習慣病の増加、医療費の膨脹が止まらない日本においては、使ってもらえないガイドは意味がない。今後、このコマ型のシールを貼った食品も登場しそう。身近な存在になると威力を発揮しそうだ。
 このコマを回すのが「運動」であるという考え方も当たり前のようで、実は新しい。きれいなコマを回すイメージを描いてみよう。
 実際のところ、教育を受けている側の学生はどういう食生活を送っているのか、またどういう食育への取り組みがすでに行われているか、そのあたりを川野先生、西川先生、山本先生に取材して山田ゆかりさんがまとめた(P.10)。コンビニの出現による「いつでも食べられる環境」、孤(個)食の問題、肥満の問題、お菓子ばかり食べるというバランスの悪さなど、よく取り上げられる問題も多いが、楽しく、おいしく食べる工夫をしていくことがいちばんだと改めてわかる。
 食は、生きる基本であるが、単に生きるだけではなく、人と自然とうまく折り合いをつけて生きていくということであり、考えるべきことは多い。
 今年4月から八戸大学に赴任した殖田先生(P.14)は、なぜ「食育」が問題になるか、その背景を考えたうえで、食育は栄養指導という視点ではなく、もっと広い視野から捉えたほうが、教える側も学ぶ側も楽しいだろうと述べ、実際に大学のゼミ生を相手に研究室で行っている試みについても楽しく紹介していただいた。  病院内で高齢者の食事に携わっている田中先生(P.18)は、チューブで栄養摂取するのではなく、できるだけ自分の口から食べることの大切さを説く。これは当たり前のようで、実は根源的な問題と思われる。こういうことは食以外にもたくさんあるのではないかと考えさせられる。
 食べることはこのように単に栄養とカロリーの補給にとどまらず、幅広い意味、意義がある。民間団体で、「食育」や食べることに関する活動を行っているところも数多い。今回は「みんなの食育」というNPO法人を紹介した(P.21)。
 政府や自治体、教育機関、地域、家庭など、どこでも行われるべきものが「食育」であるかもしれない。毎日食べるものを、もう一度見直してみよう。(清家)

連載その他
 荒木先生による2回目の連載(P.29)は「コオーディネーション理論における“システム科学”」。システム科学とコオーディネーションの接点として「『関係性』を導き出そうとしている」ことを挙げ、総和性と全体性、階層性の問題などを取り上げている。システム科学の問題の捉え方や考え方がコオーディネーショントレーニング理論にどう展開されているかがみえてくる。
 今号より始まる新連載「すばらしき高齢スポーツ愛好者に学ぶ」(P.33)では、宮下先生にスポーツ・科学の果たす役割について、高齢における体力・運動能力の解説と併せて執筆していただいた。本連載では、次号より高齢スポーツ愛好家を取材し、スポーツの実践例や健康づくりの考え方について紹介していく。  ACL損傷の予防について考察している浦辺先生の連載第3回(P.37)は、その発生におけるスポーツ動作の分析について。とくに危険を伴うストップ、カッティング、着地の3つの動作に焦点をあてている。これらの動作は多くのスポーツにも共通するものであり、アスリートだけでなく愛好者にとっても知っておくべき内容である。
 堀居先生の連載(P.42)は野球肘における筋力強化の予防についての後編。上腕屈筋群の障害予防と強化法、上腕伸筋群の強化法について触れている。高いパフォーマンスを選手が長年にわたって発揮できるよう、肘に優しい投球方法と障害予防の指導が望まれる。
 小谷さんの連載(P.45)では、膝OAのための水中トレーニングのパーソナル編を紹介。水中パッシブコンディショニングの実際として、脊柱・股関節の調整、股関節・膝関節・足関節の調整と脊柱の牽引、膝関節の屈曲・伸展の調整について解説している。
 フォームローラー(P.48)は肩・肘のエクササイズ。野球部でピッチャーの17歳男性のケースを示して話を進めている。痛みなどによって肩の動きに制限が出た際のポイントとして、その周辺の筋群を緩めることを挙げているが、その1つの方法としてフォームローラーエクササイズは有効となる。
 スポーツ「芯」(P.50)では、甲子園出場を目指す高校野球部監督の考え方、中日の落合監督の言葉、カメラマンからの視点などに触れ、山田さんの野球観を語っている。観方によって魅力も変わる。新しい観方を探すのも楽しみの1つである。(長谷川)

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