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Sportsmedicine No.68 Contents Feb-Mar, 2005
月刊スポーツメディスン 2-3合併号 通巻68号

A4変型判 52頁 中綴じ 定価1,000円(+税) クリアランスセール特価500円(+税)
年間購読料10,000円(税込)

■特集 行動変容現場でどう使うか
生活習慣病に代表されるように、日常の生活行動の長期的影響として様々な疾患や問題が生じる。運動不足、喫煙、飲酒、ストレス、睡眠、食事など、多くの人は「よくないこと」を知っているが、それを「変える」ことは容易ではない。そのための技法として注目を浴びているのが「行動変容技法」である。この特集では、本誌第41号に続き、より実践的に紹介する。
竹中晃二、大場ゆかり、葦原摩耶子


■連載その他
Topic Scanning
新しい流れを読む
心臓リハビリテーションと運動療法——ジャパンハートクラブ

Body Work for Relaxation
気づきを通じたリラクセーション——フェルデンクライスメソッドからのアプローチ
舌のリラックス/腰の動き/体の左右を比べる
深沢悠二

Sports Science Essay
「間」の考察から運動そのものへ——ドイツの運動科学理論とともに
ちいさな国のおおきな闘い! その8
綿引勝美、高橋日出二

Stretching and Training for Injury Prevention
障害を予防するストレッチングとトレーニング
肩におけるスポーツ障害のリハビリと野球肩の筋群の強化(上)
堀居 昭

Sportsmedicine People Interview
視覚障害を有する人への運動アプローチ
古関美保子

Foam Roller Exercise
フィットネスクラブでのプログラムその1
山下光子

Sportsmedicine Now
取材レポート:これからのスポーツ医療
オーダーメイドによる機能的なからだづくり
R-Body

Watch and Write!
スポーツの「芯」
いざというときにどうするか——救急法の心得の必要性
山田ゆかり

特集 行動変容
 本誌31号、41号で「行動変容」(当時は「行動変化」)について紹介した。好ましくない行動(日常生活)をより好ましいと考える方向に導くことはそうたやすいことではない。本文で竹中教授も指摘されているように、健康行動は長続きしないのが一般的なのである。ジョギングやウォーキングを始めることは意外にたやすいが、それを継続するのはかなり難しい。どうすればよいのだろう。
 それをシステマティックに考えるとき、「うまく継続している人はどうやっているのか」から入っていったのが行動変容理論であり、モデルであろう。これまで本誌では二度紹介してきた行動変容理論であるが、知れば知るほど不明なところも出てきた。様々な理論や要素があり、どうも全体像がはっきりしない。
 だんだんいろいろなところで実践されるようになってきた行動変容だが、ここで一度きちんと整理しておきたいと考え、今月の特集となった。
 2月の年度末を控えた多忙な時期、早稲田大学の所沢キャンパスを訪れ、竹中教授と大場さん、葦原さんにパワーポイントやその他の資料を見せていただきながら、理論や実践について解説していただいた。その情報量は膨大で、今回紹介したのはそのある部分でしかない。竹中教授らは今回紹介したほかにも、三鷹市を始め自治体や企業での実践例を豊富にお持ちである。また、所沢キャンパス内で学生や教員を対象に、できるだけ階段を使うキャンペーンによる実験も行い、その報告冊子も作成されている。今回はその内容は割愛させていただいたが、エレベータではなく階段を使おうというキャンペーンを行い、ビラやポスターを配布・掲示すると確かに学生の階段利用率は高まった。しかし、キャンペーンが終わるとまた元に戻った。教員については介入効果はみられなかった。報告書では年齢層に合ったポスター・ビラ情報の提供、情報の質・量の改善の必要性も述べられていた。
 どうも人間はそのようにできているようだ。つまり「楽なほう」を選択しがちなのである。理由は「楽だから」とどうにも理屈にならないが、人間らしいと言えば人間らしい。
 そう言えば、家電メーカーだからとインターネットを使ったプログラムがあったが、若い人は別として、50歳以上になると、IT自体への馴染みの薄さがちょっとしたカベになったところもあったようだ。一方、若い女性では携帯電話を使った介入は抵抗なく、おおむね良好な反応だったとか。
 年齢、性別、その他いろいろな要素があり、レディネスと呼ばれる心の準備状態も重要なキーとなる。また、トランスセオレティカル・モデル(TTM)におけるどの「ステージ」にいるのかも大きなポイントである。個人や集団にアプローチするとき、この行動変容理論を知っているかどうかは、その仕事の成果に大きな影響を及ぼすだろう。なお、TTMに関する翻訳書をまもなく刊行します。詳しくは次号で。 (清家)

連載その他
 深沢先生(P.29)の連載は、舌、腰、からだの左右を比べる動きを紹介していただいた。繰り返し述べられているが、フェルデンクライスメソッドで重要なのは動きに間を入れ、不必要な力を抜きゆっくり行うことである。日常生活に運動を取り入れることと同様に、肩の力を抜いた、ゆったりとした時間も取り入れたいものだ。
 綿引先生(P.32)の連載では、スポーツ現場における理論と実践のバランスをとることの難しさが紹介されている。頭でっかちにならず、かつデータを活かした運動の実践は理想であるが、そのバランスをどう保つか。その答えを見つけることは難しい。
 堀居先生(P.35)には、前回に引き続き肩の障害を取り上げていただいた。今回はリハビリ、筋群の強化方法の実践例が主な内容である。野球肩は野球でのみ生じるわけではない。肩を動かさずして生活は成り立たない。不安がある方はぜひお試しいただきたい。
 インタビュー(P.40)に登場していただいたフリーインストラクターの古関さんは、視覚障害を有する人に運動指導をしている。視覚の障害を問わず、言葉に頼って情報を収集する場合はグループエクササイズなどでもよくあることだ。言葉が持つ力の大きさを改めて実感させられる。
 フォームローラーエクササイズの連載(P.46)は、今号よりパーソナルトレーナーの山下さんが担当、フィットネスクラブでのプログラムを紹介していく。フォームローラーを使ったプログラムはここ数年増えてきている。誰でも気軽に取り組め、すぐに効果を実感できることもあり、今後より一層定着していくことだろう。
 R-Body project(P.48)が取り組む「カラダ再生プロジェクト」は、まさにこれからのスポーツ医療と言える。運動によってからだを鍛えると言われると、いざやろうとするとき「つらそう」と考える人もいるだろうが、肥満解消や姿勢の改善は、本来持っていた機能的なからだを取り戻すことに他ならない。オーダーメイドでコンディショニングプランを提供されれば、やる気も随分と変わってくるのではないだろうか。
 山田さん(P.50)が遭遇した「いざ」というときは、何の前触れもなく突然やってくる。「いざとなったら考える」という人もいるだろうが、救急に対する知識と技術を持ち合わせていなければ考えるすべはなく、結局人に頼ることとなるだろう。 (長谷川)

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