Sportsmedicine No.67 January, 2005
月刊スポーツメディスン 1月号 通巻67号

A4変型判 52頁 中綴じ 定価1,000円(+税) クリアランスセール特価500円(+税)
年間購読料10,000円(税込)

■特集 高齢者のトレーニング ハード&ソフトハードとソフトから読むトレーニングの流れ
介護保険の見直し時期が迫り、「介護予防」への関心も高くなっている。運動やトレーニングがADLやQOLを向上させることはよく知られている。今月の特集は、現在使用・実践されているトレーニングのハードとソフトを取材、そのなかから今後の流れを見出そうとするものである。実際のトレーニング現場やハード&ソフトを提供する企業を訪れレポートする。


■連載その他
Topic Scanning
新しい流れを読む
21世紀の「健康、地域、産業」——ウエルネスフォーラム

Body Work for Relaxation
気づきを通じたリラクセーション──フェルデンクライスメソッドからのアプローチ
顎の基本的な動きの改善/肩とヒップの関係/背骨の動き
深沢悠二

Stretching and Training for Injury Prevention
障害を予防するストレッチングとトレーニング
野球選手における肩のスポーツ障害のメカニズムとチェックポイント
堀居 昭・日本体育大学

Sports Science Essay
「間」の考察から運動そのものへ——ドイツの運動科学理論とともに ちいさな国のおおきな闘い! その7
綿引勝美・鳴門教育大学、高橋日出二・コレスポ

Editorial Report
話題の最前線
からだの内と外から健康に——漢方と園芸療法に取り組む柏の葉診療所

Sportsmedicine Now
取材レポート:これからのスポーツ医療
治す意欲を引き出すクリニック——北千葉整形外科

Sportsmedicine People Interview
プロ野球のトレーニング現場に関わって
三木安司

Foam Roller Exercise Program
病院で用いられるフォームローラーエクササイズ——応用編
鈴木俊一

Watch and Write!
スポーツの「芯」
「少年時代」を見て
山田ゆかり

特集 高齢者のトレーニング--ハード&ソフト
 介護予防への関心の高まりを反映して、高齢者のトレーニングへの注目も高まっている。
 そこで今月は、高齢者のトレーニングに関する「ハード&ソフト」について様々な施設や企業を訪れ、現在の動向を探ってみた。
 特集1(P.5)で紹介するCGT(包括的高齢者運動トレーニング)の講習会は、参加者のみなさんが実際に高齢者の運動に関わる人ばかりなので、質問も多く、熱心な様子が見て取れた。CGTは最大筋力の60%という強度を用いる。それは「身体機能の向上という目標」があるからで、それに合った負荷だからである。「それだけプロの目が必要」とのことだが、大渕先生は科学的エビデンスづくりにも取り組み、すでにかなりのレベルのエビデンスを出されている。また、現在EBMで最もレベルの高い結果を出そうとしておられる。いずれ本誌で紹介することもあるだろうが、注目されるトレーニングシステムである。
 特集2(P.12)で訪れたデイサービス「ふぁいん」は、いつきて運動し、入浴し、食事をし、カラオケなどを楽しんでもよい。高齢者が自ら進んで行きたい施設である。当たり前のようだが、現実にはそういう施設はまだ数少ないとのことである。
 トレーニングマシンにも進んで乗る高齢者にも笑顔がみられる。「ちょっと行ってみるか」と気軽に行けるこういう施設がもっと身近にたくさんあればよいと思う。
 桜木町駅から汽車道を渡ってすぐにあるワールドポーターズ。その汽車道からの夜景はとても美しい。アマチュアカメラマンも多数、三脚をかついてよいアングルを探していた。その多くが中高齢者で、女性の姿も多かった。高齢者の7割は元気という報告があるが、運動や趣味を楽しむ人たちの数もかなりいるということである。
 そう思いながら、特集3(P.14)の「かいかや」を訪れた。そこにはゲーム機が置いてあり、実際にやってみてもらった。「ワニワニパニック」や「太鼓の達人」は誰がやっても面白い。それでいてけっこうな運動になっている。「運動」は本来楽しいものだが、苦しさを克服してという考え方は今でもある。もっと、まずは楽しいものという前提から始めたほうがよいのかもしれない。ゲームとリハビリテーションというのはかけ離れているようで、実は隣り合わせの部分もあるようだ。もっといろいろな機種が出てくると、さらに普及するかもしれない。
 特集4(P.16)のコムスン体操は、田中光さんが考案し、コムスンが広めている。ご存じのように田中さんは体操選手としてトップアスリートである。世界的トップアスリートが高齢者や子どもの運動に関わることはとても意義あることである。特に運動学を専攻されただけに、運動構成はしっかりしている。こういう体操から「運動」に入っていくほうが抵抗なく、また楽しめる近道であろう。
 特集5(P.18)の機種もCGTを実践できるように考えられたものである。取材した施設も活気のある雰囲気で、取材後すぐに新たなマシンも導入、起床・入浴・食事時間についてもフリータイム制が導入されることになっている。
 運動に積極的な施設は、自然と活気と笑顔にあふれてくるのかもしれない。
 特集6(P.21)では、話題や特徴のあるハード&ソフトを4つ紹介した。高齢者用と限定したものばかりではないが、高齢者も楽しく利用できるものである。日本は世界に類をみないスピードで高齢社会に突入した。それだけにその対応も進んできた。外国から研究者も多く訪れているようだ。今後さらに進んだ「ハード&ソフト」が誕生していくことだろう。
 なお、今月の特集では多数の方にご協力いただいた。誌面を借りて御礼申し上げます。

連載その他
 深沢先生(P.29)の連載も長いが、特に指導に携わっておられる方には参考になっているようだ。「今度はこれをやってみよう」というふうに現場で活用されている。今後も運動指導現場に役立つ内容をどんどん掲載していきたい。
 堀居先生(P.33)は野球選手の肩の障害がテーマ。投げるという動作は社会人になるとほとんどしなくなる。たまにキャッチボールをやると肩を傷めやすい。こういう知識も必要となる。
 綿引先生(P.37)のインタビューは内容としてやや難しいところがあるが、運動について研究されている方にとってはとても興味深い内容だと思う。
 柏の葉診療所については、本誌60号でその前の構想段階でも紹介した。当時はまだこの診療所の鉄骨が組まれたところだった。それにしてもこの診療所の人気の高さ。今求められている医療について考えざるを得ない。
 北千葉整形外科(P.44)は、院長は脊椎のご専門だが、その他の部位の疾患となると、その専門医を招いている。今やなんでも1人でできるような時代ではない。多くの人のコラボレーションが必要になっている。このクリニックも何かあると行きたくなるところだろう。
 インタビュー(P.46)では中日ドラゴンズの三木さんに登場していただいた。優勝を果たしたチームであるが、チームにあってトレーニングを指導するという点で、様々なプロたちの間で活動する難しさが伝わってくる。
 フォームローラーエクササイズの連載(P.48)を担当していただいた鈴木先生は今回が一応最後。応用編を紹介していただいた。
 山田さん(P.50)は、映画の話だが、昔の子どもの姿が浮かび上がってくる。「子どもはどこに行ったのか」と問いたくなる現実もあるが、いやいや子どもは子ども。要はどう環境をつくるかなのだと思う。 (清家)

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