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Sportsmedicine No.59 April, 2004
月刊スポーツメディスン 4月号 通巻59号
A4変型判 52頁 中綴じ 定価1,050円 クリアランスセール特価525円
年間購読料10,000円(税込み、500円割引)
■特集 姿勢立つ、座る、その動きと影響
1.姿勢の見方−−観察と分析、そして「ストーリーを作る」
鈴木俊明・関西鍼灸大学神経病研究センター助教授
2.姿勢と脳−−姿勢の調節と脳の関係
征矢英昭・筑波大学体育科学系運動生化学助教授
3.坐姿勢と椅子について−−身体とそれを支えるもの
矢田部英正・武蔵野身体研究所主宰
4.姿勢をどうつくるか
山本里佳・新体操コーチ
5.講談の姿勢と発声
神田陽子・講談師
■連載その他
Topic Scanning
新しい流れを読む
運動習慣は医療費削減につながるか−−スポーツと医療経済の関係
Sports Science Essay
「間」の考察から運動そのものへ−−ドイツの運動科学理論とともに
勝つことを切り落とす
木原資裕・鳴門教育大学
Body Work for Relaxation
気づきを通じたリラクセーション−−フェルデンクライスメソッドからのアプローチ
足の指を組む/脚、足を上げる/上半身の両サイドを伸縮させる
深沢悠二・IFF 公認インストラクター
Stretching and Training for Injury Prevention
障害を予防するストレッチングとトレーニング
足首の内反・外反捻挫のメカニズムと予防法
堀居 昭・日本体育大学
Exercise for the Knee
膝OAのための「ヒザイタ改善エクササイズ」
種目別概要2
小谷さおり・つえつえクラブ/ヒザイタ改善運動普及会代表
Sportsmedicine People Interview
スポーツ科学−−競技力向上と健康づくりへの関わり
平野裕一・東京大学
Foam Roller Exercise Program
インナーユニット、アウターユニット
日暮 清・横浜F・マリノスヘッドドレーナー
Contribution
マスターズ・スポーツ大会参加者の運動能力
宮下充正・放送大学
Watch and Write!
スポーツの「芯」
強く長く続けるには
山田ゆかり・スポーツライター
特集 姿勢
姿勢への関心は一般でもスポーツでも高い。「日本人の歩く姿は貧相である」とよく指摘されるが、美しく整った姿勢はいかにしてつくられるのか。逆に、「不良姿勢」と呼ばれるものはなぜそうなるのか、どう改善すればよいのか。姿勢が悪い、その背景にあるのは何か。様々な疑問と関心のもと取材を始めた。
鈴木先生(P.6)には、バランスに関する特集号で登場していただいたが、バランスと姿勢は大いに関係する。理学療法士として姿勢をどう捉えておられるのかを聞いた。
何がどうなっているから、そうなっているのか。するとこの動作はこうなるのではないか。観察・分析、そして予測。また全体の「ストーリーを作る」という行為。これは理学療法や姿勢に限らず、ひょっとすると日常生活全般に活用できる「姿勢」かもしれない。鈴木先生みずからの身体で示していただいた内容は、とてもわかりやすい。ぜひ自分のからだで試していただきたい。
征矢先生(P.11)には「子どものからだ」の特集以来。「姿勢」に興味があるとうかがっていた。「脳と姿勢」?と思ったが、この先生の話は面白い。ぜひ記事にと筑波に向かった。呼吸や循環などを司る脳の部分が姿勢維持にも関係している。姿勢は脳の姿でもあるのではないか。そう言えば、考えているときは考えている姿勢や仕種になる。身体の全体として現れる姿が姿勢であるから、そこに脳の活動が影響しているのは疑う余地がない。この話、今後もっと面白くなりそう。
矢田部さん(P.15)とは面識がなかったが、本を呼んですぐにメールを出して取材をお願いした。たまたまあとがきに書かれていた出版に関係した人が私の知り合いであったこともあり、とても興味をいだいた。東京の古い家に住む矢田部さん(本来、先生と呼ぶべきなのだろうが、なぜか矢田部さんというほうがしっくりくるのである)のお話はもの静かで、かつ深く考えた結果の内容であることがよくわかる。その話の基盤に身体がある。矢田部さん製作の椅子にも坐らせていただいたが、とても心地よかった。木なのにすっぽり包まれるような感じがする。これまで坐ってきた椅子は全く別物と思えた。
山本さん(P.19)と神田さん(P.21)は山田ゆかりさんに取材していただいた。新体操と講談。つまりスポーツと芸能である。矢田部さんの話にもあったが、着物は身体を支えるようにできているそうだ。講談中と踊りの写真を掲載したが、見事な所作である。山本さんも、日本人の姿勢の悪さを指摘している。姿勢の整った人をみるとはっとするが、それだけ悪い姿勢の人が多いということだろう。姿勢が崩れたトップアスリートはいない。それだけで姿勢の大切さがわかる。
連載その他
木原先生(P.29)には綿引先生のピンチヒッターとして登場していただいた。ここで紹介されている栄花選手のテレビ番組を見た人も多いだろう。「勝とうとすること」がいけない。それを切り捨てると、自然に身体が動き、結果として勝つ。それができないと勝てない。難しい話だが、日本の剣道が教えるところは奥深い。勝利を争うというスポーツではないもの。それは世界が注目するものでもある。わたしたちは自分たちの宝をよく知らないのだろう。
深沢先生(P.32)のレッスンは愛読者が多いようである。文字だけにしてあるのは、写真で「こういうポーズ」と頭に視覚からインプットさせたくないからである。自分の解釈で自分の感覚で行ってよい。しかも、それを「ゆっくり」と。それは今回の特集テーマである「姿勢」とも大いに関係してくる。ぜひ、お試しを。
堀居先生(P.36)の障害予防とストレッチング、トレーニングのシリーズ。まず障害のメカニズムを掲げ、それに応じてチェックポイントとストレッチング、トレーニングという構成。こういう知識はどの選手も指導者も持っておくべきことである。できれば本当は小学生のときから学びたいものである。
小谷先生(P.39)の「ヒザイタ改善」の教室は、全国どこでも人気である。それだけ「ヒザイタ」で困っている人が多いということでもある。加齢とともに膝が痛むケースは多い。あきらめずに、少しずつ動かすと改善がみられる。この「ヒザイタ改善エクササイズ」も実は姿勢つくりによいエクササイズでもある。
インタビューは平野先生(P.42)。スポーツ科学者として知られ、また学生時代は野球部、卒業後は監督も務められた。スポーツ科学の役割について、改めて語っていただいた。スポーツの役割が拡大すればスポーツ科学の役割も拡大する。また、詳しい話を掲載したい。
日暮さん(P.44)は横浜F・マリノスのヘッドトレーナーとして多忙を極める。リーグ戦が始まると余計である。その仕事の合間に、日常トレーニングルームで実施しておられるフォームローラーエクササイズについて紹介していただいている。フォームローラーも徐々に広がりつつある。お持ちの方はぜひやってみていただきたい。
宮下先生(P.46)にはマスターズスポーツに関して6編の原稿を寄せていただいた。水泳、陸上競技などマスター大会に参加する人はどんどん増えている。読者にもそういう人がいるだろう。指導するうえでも参考にしていただきたい内容である。
山田さん(P.50)は、年齢とともに心境が変化し、かえって力が抜けて強くなった選手の話(山本選手と横山選手)。歳を取るということは、経験が増えるということだが、その経験は必ずしもハッピーなものばかりではない。苦境があってこそ一皮むけることもある。それはアスリートのみに言えることではない。
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